バセドウ病の人がやってはいけないことや食べてはいけないものは?

バセドウ病に罹ると、動悸や息切れ、筋力の低下などさまざまな症状が生じるため、日常生活において注意すべき点がいくつかあります。
症状が悪化したり身体に負担をかけたりしないためにも、正しい知識を理解しておくことが大切です。

本記事では、バセドウ病の人がやってはいけないことについてまとめています。
ぜひご参考にしてください。

監修医師
オキュロフェイシャルクリニック大阪
院長 藤田 恭史

大学病院などで一般眼科から眼形成外科まで幅広く診療経験を積み、さまざまな手術に携わってまいりました。
眼瞼下垂、甲状腺眼症、涙道の疾患といった目のまわりのトラブルに対しては、見た目の自然さに配慮するのはもちろん、視機能や眼球表面への影響にも十分に注意を払いながら治療を行っています。

目次

バセドウ病

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
甲状腺機能亢進症とも呼ばれ、自己免疫疾患の1つです。
首の前面にある甲状腺から甲状腺ホルモンは分泌され、体内の新陳代謝を促したり、成長や発育に関わったり重要な役割を担っています。

バセドウ病の人は、免疫システムが甲状腺を刺激し続けることで甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、全身の新陳代謝が異常に活発になってしまうため常に全身運動をしているような症状が現れます。

バセドウ病の主な症状は以下のとおりです。

  • 動悸や息切れ
  • 心拍数の増加
  • 体重減少
  • 汗をかきやすい
  • 暑さを感じやすい
  • 手の震え
  • 眼球突出
  • 首が腫れる
  • イライラしやすい
  • 不眠になる

バセドウ病は20〜40代の女性が発症しやすい特徴がありますが、男性や子ども、中高年の方も発症する可能性はあります。
原因は明確になっていませんが、遺伝的な要因のほかに、ストレス・喫煙・出産などもきっかけの1つと考えられています。
バセドウ病を発症した場合、早期に適切な治療を行い、症状を管理することが大切です。

バセドウ病の人がやってはいけないこと

バセドウ病の人がやってはいけないこと

バセドウ病を発症すると、日常生活でも気をつけなければならない点がいくつかあります。
治療と並行して日常生活にも意識することで、症状の改善を促します。

バセドウ病の人が日常生活でやってはいけないことは主に以下の6つです。

  • 喫煙
  • 食べ過ぎ
  • ストレスをため込む
  • 激しい運動
  • 花粉症の放置
  • 自己判断での断薬

甲状腺機能が正常化するまでは無理をせず安静に過ごすことが大切です。
無理をすると身体に大きな負担がかかり、危機的状態となり命に関わることもあります。

上記のやってはいけない項目を1つずつ詳しく解説しますので、確認しておきましょう。

01 喫煙

喫煙していると、バセドウ病の治療薬の効きが悪くなるため、禁煙しなければなりません。
症状が落ち着き、薬物療法による治療が終了しても、喫煙していると再発しやすくなります。

また、バセドウ病の方が喫煙していると眼球突出など目に異常症状が起きやすいことも知られています。
重症化するリスクも高いため、喫煙者は禁煙外来を受診してでも禁煙することが推奨されています。

バセドウ病の方自身が喫煙していなくても、副流煙によって上記のリスクが高まります。
周囲の人にも理解と協力してもらうことが大切です。

02 食べ過ぎ

治療を行うことで甲状腺機能が改善すると、エネルギーの消費量も低下するため体重が増えやすくなってしまいます。
食欲が元に戻らない傾向にあるため食べ過ぎると太ってしまうため注意が必要です。

03 ストレスをため込む

ストレスがあると、バセドウの治療がうまくいかず治りにくいことがわかっています。
特に過剰適応という無理に周りに合わせようとする人は、バセドウ病の治療に悪影響を及ぼします。
自分自身では気付いていないことも多いため、一度日常生活を振り返り、ストレスが溜まっていないか確認してみると良いでしょう。

ストレスが溜まっている時は、ゆっくり休息することが大切です。
必要に応じて医師の診断書を職場に提出することも検討しましょう。

そのほかにも、趣味などでストレスを発散する方法を自分で見つけることも重要です。
ストレスを溜め込まないよう工夫しましょう。

04 激しい運動

甲状腺機能が亢進している時に激しい運動は避けてください。
心臓に過度な負担がかかり不整脈や心不全のリスクが高まります。
甲状腺機能が正常な状態に戻れば、運動もできるようになりますが、急に激しい運動をするのではなく軽い運動から慣らすようにしてください。
運動を始める際は医師と相談しながら、運動を再開するとよいでしょう。

05 花粉症の放置

花粉症などのアレルギーを放置していると、体内の免疫反応が活性化されるため、バセドウ病の症状が悪化する恐れがあります。
また、バセドウ病の症状が治っていてもアレルギーを放置することで再発しやすくなるため注意が必要です。

花粉症などのアレルギーがある人は、治療を行いながらアレルギー症状をコントロールしましょう。
メガネやマスクを着用するなど普段からアレルギー反応が出ないよう工夫することも大切です。

06 自己判断での断薬

症状が落ち着いたからといって自己判断で薬の服用をやめてはいけません。
勝手に薬の服用をやめることで、バセドウ病の症状が悪化し「甲状腺クリーゼ」という危険な状態になる恐れがあります。

甲状腺クリーゼとは、全身の代謝が暴走し、高熱・頻脈・嘔吐・意識障害などを来す多臓器不全状態。
心不全を起こし、死に至る可能性もあるため大変危険です。

甲状腺クリーゼの状態になった場合、集中治療室に入院して治療が必要です。
甲状腺クリーゼの致死率は10%以上との報告もあるため、命を守るために甲状腺クリーゼを発症しないようにすることが大切です。

自己判断で薬の服用をやめるなど勝手なことはせず、治療に対して不安がある場合は医師に相談するようにしてください。

バセドウ病の人が食べてはいけない食べ物

バセドウ病の人が食べてはいけない食べ物

バセドウ病の方は生活習慣以外に、食べ物にも気をつけなければなりません。

食事によってバセドウ病が悪化したり、健康状態に影響を及ぼすことがあります。

 

バセドウ病の方は以下の食品は控えましょう。

  • ヨウ素を多く含む食べ物
  • カフェインを多く含む食べ物
  • 大豆製品
  • 高脂肪食品や加工食品

それぞれの食べ物の注意点について詳しく解説します。

01 ヨウ素を多く含む食べ物

ヨウ素は甲状腺ホルモンを生成するために必要な栄養素で、身体に必要なものです。
しかし、バセドウ病の方にとってはヨウ素を多く含む食べ物を摂取することで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
バセドウ病の症状が悪化しやすいため、ヨウ素を多く含む食品は避けなければなりません。

ヨウ素を多く含む食品には以下のようなものがあります。

●昆布・わかめ・ひじきなどの海藻類
●あさり・牡蠣・たらなどの魚介類

02 カフェインを多く含む食べ物

カフェインは中枢神経を刺激する特徴があり、中枢神経を刺激することで心拍数が増加するため、バセドウ病の動悸や神経過敏症状を悪化させる恐れがあります。
カフェインを多く含む食べ物や飲み物は摂取を控えるようにしましょう。

以下のような食べ物・飲み物にカフェインは多く含まれているため注意が必要です。

●コーヒー
●紅茶
●チョコレート
●エナジードリンク
●炭酸飲料

03 大豆製品

大豆に含まれるゴイトロゲンという成分が、甲状腺ホルモンの生成を阻害する恐れがあるため、過剰摂取しないようにしましょう。
適量を守れば摂取しても問題ありません。
また、加熱することでゴイトロゲンの影響を軽減できますが、生の大豆製品は甲状腺機能に影響しやすいため気をつけてください。

以下のような食品に大豆は多く含まれています。

●豆腐
●納豆
●味噌
●醤油

04 高脂肪食品や加工食品

高脂肪食品や加工食品は、甲状腺ホルモンのバランスに影響を与えやすいため、過剰な摂取を控えましょう。
バセドウ病の人にとって体重増加は心臓の負担を増やしてしまいます。
そのため、健康的な体重を維持しなければなりません。
過剰な脂肪の摂取は肥満の原因にもなるため気をつけましょう。

高脂肪食品・加工食品とは、以下のような食べ物のことです。

●ファーストフード
●揚げ物
●ソーセージやベーコン
●高カロリーのスナック菓子

まとめ

バセドウ病の方は適切な治療を受けるとともに、生活習慣や食事管理も必要です。
治療を受けていても生活習慣や食事が原因で、バセドウ病の症状が悪化する可能性があるからです。
特に自己判断での行動は大変危険です。
命に関わる事態になることもあるため、気になることや分からないことがあればすぐに医師に相談するようにしてください。

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